映画

『ジェリー』監督:ガス・ヴァン・サント〜命のゆらめき

(ネタばれあり) コロンバイン高校に材をとったカンヌ映画祭パルムドール、監督賞W受賞作『エレファント』でその名前を忘れられないものにしたガス・ヴァン・サント監督作ということで、吉祥寺バウスシアター爆音レイトショーに行って来ました。通常の映画…

『バス174』〜見えない存在を見える存在として

(ネタばれあり) 『バス174』は、予告はみていたが、想像していた内容とは違っていました。 ブラジルで強盗未遂から端を発したバスジャック事件、乗客11人を人質にとった犯人サンドロは小さい時に母を目の前で殺されて以来、リオのストリートで生きてき…

『ベルリン、僕らの革命』(ネタばれあり)

土曜日、外出のついでに渋谷ル・シネマの最終回で観ました。1〜2割の入り。 ドイツ映画は久しぶりです。女囚たちがバンドを結成、逃避行映画『バンディッツ』、ケストナー原作の『飛ぶ教室』以来でしょうか。 停滞気味だといわれていたドイツ映画も元気を…

『HARUKO』

この映画の公開は2003年。当時評判になった作品ですが、今回ポレポレ東中野ではじめて観ました。在日一世金本春子さんと家族を息子の視点から描いたドキュメンタリーです。ギャラクシー賞を受賞したフジTVの『ザ・ノンフィクション「引き裂かれた在日…

[社会]『ヤカオランの春』〜あるアフガン家族の肖像

アフガニスタンの首都カブールに近いパキスタンのペシャワールのアフガン難民キャンプの教師アリ・マクバルが子どもたちに語る自らの経験と家族のドキュメンタリー。監督:川崎けい子 虐殺を奇跡的に逃れ、パキスタンにやってきたアリ・マクバルは村の男たち…

ドキュメンタリーDVD〈兼子〉監督:渋谷昶子

柳兼子は87歳まで演奏活動をしたアルト声楽家。DVDのなかには18曲が収録されていますが、とりわけ着物を着て、ピアノにつかまりながら、ドビッシーの『ハバネラ』を歌う83歳の銀髪の兼子。独自の歌唱法で、突き抜けるように響く声、みごとな堂々とした…

『吠える犬は噛まない』ネタばれあり

先日、借りたビデオを一日延滞して返しました。 しかし、『夢二』は映像が悪く、赤く写って、音声も聞き取れないため途中で断念、いかにも清順さんらしくて、なかなか面白かったのですが。 もう一本、ららさんにもお奨め戴いたポン・ジュノ監督『吠える犬は…

 「絵巻 山中常盤」牛若丸と常盤御前ー母と子の物語

岩波ホールで一週間だけ特別上映されている羽田澄子監督のドキュメンタリー映画『絵巻 常盤御前』を観に行った。久しぶりの岩波ホールはやはり、過ぎた年月を感じさせる。クッションがだいぶ痛んできたようで、座布団がくくりつけられてあった。 途中から聞…

オダギリジョーでごめんなさい!

「オダギリジョー」でこちらにお越しのみなさまも多いと思いますが、たいしたことが書いてなくて、期待はずれ。ごめんなさい! きっと、コメント欄にびっくりなさることでしょうね(^−^; せっかくですので、こういう話題もご一緒にいかがですか(笑)? …

時の移ろい

みなさま、こんばんは。 昨日は都心まで知人の写真展に行って来ました。インドのベナレスを撮ったもの。モノクロームで写されたベナレスに生きる人びと、営み、祈り、賑わい。喧騒であるはずのものさえ、なぜか、とても静かな光景。 ゆったりとした時間の移…

夢見るように歌えば〜父と子「家庭」からの逃避。

25日(金)は久しぶりの銀座に出ました。夜8時からのベリーダンスとギターのライヴに行くためですが、その前にシネスイッチで『ビヨンド・THE・シー』を観た。 1950年代後半から60年代にかけて、アメリカで活躍したエンターテナー、ボビーダーリン…

あるフェミニスト〜田嶋陽子さん

もう一週間前になりますが、13日(日)は、以前お話したあるフェミニストによる『韓国映画はどうして面白い?』に出席。銀座の韓国料理店でお茶とお菓子とを戴きながらの会でした。あるフェミニストというのは↑田嶋陽子さんです。 みなさんは田嶋さんにどのよ…

『殺人の追憶』監督:ポン・ジュノ〜稲穂と青空

殺人の追憶 [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2004/08/27メディア: DVD購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (109件) を見るhttp://www.cqn.co.jp/mom/の感想をとおもいながら、何が書けるのかなと考えていました。…

堕ちてゆく〜金綺泳監督『下女』@映画美学校第一試写室

http://www.hf.rim.or.jp/~t-sanjin/kimgiyon_gejo.html ブックセンターから歩いて5分、映画美学校へ。 古いがとても観やすい試写室だった。(以下、ネタばれあり) 金綺泳(キム・ギヨン)監督の最高傑作といわれる『下女』は1960年の作品で、第8回アジア映…

『夢二のテーマ』ーウォン・カーウァイは清順ファン?

ネット注文して中古を180円で買いました。送料340円。得したような損したような(笑) 梅林茂作曲。http://www.diana.dti.ne.jp/~motriz/ume.html 『夢二のテーマ』が違うバージョンで3曲入っています。『一輪の花』という別タイトルのナタリア・イザ…

『下妻物語』ー映画館で観たかった!

http://www.shimotsuma-movie.jp/ 友人が2004年に見た映画ぶっちぎりベスト1だと言っていたのに、いつもレンタルショップで貸し出し中。半額デーにおそく行くからしかたないんですけれど。 やっと観れました。半額デーは早いもの勝負です。 おもしろ〜〜い…

『もし、あなたなら〜6つの視線』

日曜日は、なんと新宿までモーニングショーで『もし、あなたなら〜6つの視線』を観にいきました。私だって、いけるじゃん。その気になれば(笑)。モーニングショーと聞いて、いつもほとんど諦めていますが(笑) この映画は韓国の人権委員会の企画制作、いわ…

『トニー滝谷』監督:市川準 原作:村上春樹

2日、水曜日、『トニー滝谷』を観にいった。テアトル新宿15時からの回。ウイークデーにもかかわらず、場内はほぼ満席。レディースデーで女性も多かったけれど、若いカップルが多いようだった。 作品はなかなかよくできていた。監督の市川準は画面へのこだ…

渋さ知らず『行方知れズ』

そのあと、東急本店から5分ほどのビル2階にあるミニシアターアップルリンクUKで、ジャズオーケストラ渋さ知らずのドキュメンタリー『行方知れズ』のレイトショー(PM21〜)を観るために、時間をつぶした。寒さがこたえて、歩きつかれて、温かいものが食…

『神聖喜劇』の映画化

そういえば、大西巨人の『神聖喜劇』の映画化がすすめられ、とうとうシナリオが完成したとのこと。すでに『シナリオ神聖喜劇』として発売されているのをめくってみると、監督は澤井信一郎のようですね。神聖喜劇〈第1巻〉 (光文社文庫)作者: 大西巨人出版社/…

『ゲンセンカン主人』

暮れの28日に借りていたビデオを、今日レンタルショップに返しに行った。年末年始で何かと忙しく昨晩やっと観たのです。2日も延滞してしまったので、600円も延滞料をとられた(泣)。火曜日はレンタル料が半額で180円だったので、結局780円かかったことにな…

かもめの飛翔

話しは戻りますが、もう何年も、山下公園に来ていませんでしたが、園内も以前に比べてきれいになったように思います。行政が美化に力を入れていれているせいでしょうか。遠く沖まで見渡せる海岸べりから、海面を望むとゴミもなかったし、海の底のほうまでみ…

ニールヤング/Greendale 

http://boid.pobox.ne.jp/greendale/nyindex.htm29日、吉祥寺バウスシアター、レディースデイのレイトショーで観てきました。観客は約20名(笑)。ニールヤングの楽曲がそのまま登場人物のセリフになっているというロックミュージカル仕立て。踊りだしたい…

2004年記憶に残る映画Ⅱ

今年観た映画を思い出していたら、いっぱい出てきました(笑)。 アニメではやっぱり『アップルシード』http://www.a-seed.jp/index2.htmlかな。APPLESEED アップルシード コンプリートBOX 【限定フィギュア付】出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2004/04/09メデ…

2004年、記憶に残る映画

今年もたくさん映画を観たけれど、記録というものをつけていないので、かなり忘れている(爆)。ちょっと、面白かった作品をおさらいしておきましょうか(笑)。 記憶に新しいところでは、『オールドボーイ』 極私的、これほどまでにエゴイスティックな愛を描…

ドキュメンタリー映画のご紹介

『ルイズ その旅立ち』監督:藤原智子 シネマアートン下北沢12月18(土)〜24日(金)15:30〜1923年9月16日、1歳で父と母(大杉栄、伊藤野枝)を官憲によって虐殺された伊藤ルイ(ルイズ、4女)さんが伊藤野枝の父母によって育てられ、74歳で癌で亡…