ドキュメンタリーDVD〈兼子〉監督:渋谷昶子

azamiko2005-05-16

柳兼子は87歳まで演奏活動をしたアルト声楽家。DVDのなかには18曲が収録されていますが、とりわけ着物を着て、ピアノにつかまりながら、ドビッシーの『ハバネラ』を歌う83歳の銀髪の兼子。独自の歌唱法で、突き抜けるように響く声、みごとな堂々とした歌いっぷりです。ブラボー!
最初は画家を志したが、当時女性でも努力次第で一流になれる職業ということで男性とは競合しない「女」の声を生かせるアルト歌手を目指したという。
夫は柳宗悦民芸運動、朝鮮の文化財、陶磁器などの保存、収集などに尽力した宗悦に貢献。たびたびリサイタルを開いて、その収益金を宗悦の活動に当てたそうです。
息子3人の母でもある。戦前、戦中、戦後、これだけ長い間歌い続けるエネルギー、なみなみならない努力だったことでしょう。弟子たちには大変厳しかった方らしく、下手な歌が許せなかった兼子の逸話が生徒たちそれぞれが話されていて可笑しかった。