『Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別』

映画を観た日は、朝から新宿、横浜と出かけ、9:05からのレイトショーだったので、すっかり疲れてしまい、後半の10分ほど眠ってしまいました(笑)
もう一度みてからと思っていましたが、昨日、斎藤貴男さんの講演を聞いて、米軍再編の意味するものの大きさをあらためて思いました。
ルポ 改憲潮流 (岩波新書)機会不平等


米軍再編は安保条約がアメリカの偏務的な軍事条約だったものが、双務的な、アメリカが戦争をすれば日本も戦争協力するという形でアメリカの覇権に協力する米日同盟を前提にしたアジア〜中東までをも視野に入れた軍事戦略であるということ。
日本は完全にアメリカの軍事戦略拠点として、自衛隊は米軍と一体化しようとしている。
そのためには九条を変え、教育を変え、福祉を切り捨て、格差社会をつくっていくことで、能力がないと判定されたものは文句を言わず実直に国のため働く人間にしようとしている。
下層の者は、いやでも戦争に行くしかない、戦争に行かなければ浮かばれないようなアメリカ型の社会は近い将来の日本だといった方がいい。
ほんのひとにぎりのエリートだけが幸せ(?)を手にすることのできる社会。
そんな緊張の高い社会が住みやすいはずがありません。
みんなが幸せになることを目指さないような社会が生きやすいはずがありません。
日本人はヤプーになろうとしているのでしょうか?
いえ、日本人のヤプー化は今に始まったことではありません。
「日の丸の裏には星条旗が縫い付けられている」斉藤貴雄はそう言います。
沖縄には九条はいまだかつてなかったのですから。
欺瞞に満ちた『』つきの戦後民主主義を通して、ずっと。
愛国心は実直そうな天皇一家を前面に、日の丸、君が代を強制します。
小泉首相靖国参拝を韓国や中国の反発を承知の上でするのは、中国の脅威を印象付け、国内のナショナリズムを煽り、イヤが上でもアメリカに傾かせるためだと以前から思っていました。
沖縄の米軍基地に住む米兵一家のくらしがTVで紹介されていました。
豪華な骨董的な家具に囲まれた家族の食卓。
彼らの幸せな食卓は米軍というものがなければ、成立しないのだとしたらなんという逆説でしょうか。

日本はアメリカの逆説のために、国民の福祉を削ってでも、3兆円という拠出をしようとしているのでしょうか。


Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別」は米軍基地に反対してきた沖縄の辺野古、韓国の梅香里・北海道の矢臼別の住民の闘いをドキュメントしたものです。
彼らの闘争は生活そのものです。
米軍が実弾演習する矢臼別の自衛隊の射爆場の中に40年間住む続ける川瀬さんのもとに韓国、梅香里(メヒャンニ)で50年間爆撃演習に反対闘争をしてきたチョンさんが訪れます。
辺野古では身体をはった海の座り込みで米軍ヘリコプター基地の建設を阻止してきました。
自分の住む場所から、米軍を送り出したくない。というつよい思い。
反対闘争住民の生活を描いた映像は、日本が向かおうとしている行き(生き)場のない冷たい風の吹く社会への、温かい風を運ぶアンチテーゼだと思いました。



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