封印された星★瀧口修造と日本のアーティストたち@椿画廊

azamiko2006-03-11

瀧口修造の 「無題(巖谷國士に捧ぐ)」 というデカルコマニーが印刷された案内状に弾かれ巌谷國士の『封印された星』出版を記念した展覧会に行きました。
瀧口修造のデカルコマニー、会場のようすはこちら
印象的だったのは、
桑原弘之の数点あった小さなオブジェの中でも『青い星』。
上からライトを当てると星空をバックに瀧口修造のシルエットが浮かび上がるようになっていて、むしろ、そのオブジェの小ささゆえに敬愛して止まない気持ちが伝わってきます。
岡崎和郎の『HISASHI』は白い壁に、庇のようなものがはりついていて、それは壁から溶け出したようにも、湧き出した溶岩のようでもあり、白い壁にはり付いた異物が壁全体に不穏な領域を拡大していくようにおもえてきます。
合田佐和子のデートリッヒを描いた『90度のまなざし』は白日に晒されハレーションを起したように明るくて現実が現実ではないように思えてきます。
高梨豊の撮った瀧口邸のオリーブの木の写真は風を孕んだままうごめいてみえます。
上野紀子/中江嘉男瀧口修造デュシャンの遺作を覗き込む後姿を描いた100号の油絵には、チコと猫とが絵本の世界から侵入して描かれていてユーモラス。
作品を観る瀧口修造の後姿はアーティストたちに畏敬をもって語られますが、この絵をみると、その気持ちが伝わってきます。