『シュルツ全小説』

そのあと、M書店で、tosukinaさんご紹介のポーランド作家『シュルツ全小説』をチェック。
シュルツ全小説 (平凡社ライブラリー)
図書館にリクエストしてあったけれど、書店で手にとって即購入。
紹介文に「濃密な描写によって映像が頭の中いっぱいに広がって、クラクラと眩暈がするほどです」
まさしく、冒頭の数行を読んで、その描写力に脱帽。
物語はこんなふうにはじまります。

七月、父は決まって湯治場に出かけていき、私と母と兄とは暑熱に白いめくるめく夏の日々のなかに置き去られた。光に放心した私たちは休暇というあの大きな書物を一枚ずつ見披いていくのであったが、どのページもちらちらと燃え、その底には黄金色の洋梨の実の気も遠くなるほどの甘みがあった。    −八月ー

文庫で読みやすので、たすかります。
平凡社ライブラリー、文庫とは思わなかった(^-^;
1900円もするので、単行本だとばかり思っていました。
去年の11月発売、マイナーな本だと思っていましたが、平積みされていました。
但しあまり売れているようすはなく、10冊くらいあった。