下地勇コンサート@キネマ倶楽部

6時少し前にキネマ倶楽部前に行くと、人であふれ返っていた。S子さんともうひとりのS子さんとお久しぶり〜。そのうちに子どもたちに歌やお話などたのしいパフォーマンスをしているKさんたちも来て、開場前から何だか盛り上がってきた。3年ほど前の琉球フェスティバルで下地さんを知って以来のファンのS子さんがチケットを早々に取ってくれたので整理券番号20番。最前列。ライヴはなるべく前でを実行す。
この会場はもともとはダンスホールかキャバレーだったのでは・・・。と言っても、ダンスホールもキャバレーも知らないんですけど。広いホールに高いステージ、二階席もあって、ステージの上手には螺旋階段状のスポットライトを浴びる花道のようなものもある。
下地さんは宮古島出身で、オリジナルの歌を宮古島のことばで歌っている。
ポップスという括りに入るのだろうが、フォークともロックとも。ブルース、ジャズ、ボサノヴァの色彩もある。
いよいよ近々メジャーデビューするらしい。*1観客は500人はいただろうか。人数に比して、けして広いとも言えないホールにぎっしり折りたたみ椅子が置かれていた。オリジナルの歌もいいし、歌も上手いし、なんと言っても人を弾きつける魅力がある。女性ファンが多いが男性ファンもかなり。ファンの年齢層も広い。ご存じでない方は下地さんのサイトをどうぞ。
コンサートは宮古島の90歳をこえたおばあさんのおしゃべりのテープではじまった。とても温かくてなごむおしゃべりだった。内容は分からないけれど、近くにいた宮古出身の人が通訳してくれた。いろんな会話のあとに「しっかりがんばって歌えや」というような内容だった。
宮古島のことばはウズペキスタンとかカザフスタンの言葉に似ているとか。ボサノヴァ宮古島のことばで歌ったのには、まるで違和感がなかった。
いままで、ギターとのセッションしか聴いたことはなかったけれど、この日は、キーボード、ベース、ドラム、パーカッション、アコースティックギターエレキギターとバックバンドの音も充実、アレンジもとてもよかった。アコギの下館直樹さんはS子さんの友人で、何度か彼のステージも観ているけれど、ギターよりも自分を目立たせることはしたくないといっていた彼とはおもえないほど、いいキャラクターが出ていた。
この日はゲストでビギンの島袋優さん。島袋さんは石垣島出身で、宮古石垣島とは仲が悪いのだとか。日頃、自分の島の自慢、相手の島の悪口を言い合っているそうで、あるとき、自分の島にあって相手の島にないものはないかと考えていたら、島袋さんが「あるよ!宮古にあって、石垣島にないもの・・・殺人事件!」そんな感じで二人の関係はとても楽しい。
宮古島の学校は一クラスで幼い頃から中学までずっと一緒だったのが、卒業し進学すると同時に高校のない島を出ていかなければならないという。別れは島に住むひとの運命でもある。出てゆく人と残されるひと。残された人の多くは年をとり、残して来た人は残してきたことを気にかけているだろう。島を出て、島への思いは強くなることもあるかもしれない。今は沖縄に住む下地さんの歌はそういう思いに深く根ざしている。

ところで下地ファンのS子さんとは「はるのかんたんふ」のさくら子さんのことで、彼女は去年に引き続き1月にコンサートを企画している。
お近くの方は是非、生のステージをご覧くださいませ。

 <第2回 2200kmを結ぶ!音祭り> 
― 今こそ、私たちの感性を呼び覚まし、人の心とつながろう ―

日時: 2006年1月14日(土)15:30開場 16:00開演
場所: 埼玉県県民活動総合センター(埼玉県北足立郡伊奈町)     
出演者:歌と演奏 
    ●下地勇宮古島方言で人間を、現代を歌う、シンガーソングライター)     
    ●下館直樹(多彩なギターによるエンターテイメント、ギタリスト・作曲家)     
    ●ボディ・パーカッション指導 川口佳楠

主催: セレニティ・カウンセリングルーム

料金: 前売り\2,800 / 当日\3,000 / 小学生以下のお子さん半額 / 3才未満無料
    (税込み・当日受付順に座席指定)

チケット入手方法:
    ●電子チケットぴあ Pコード 213-118 Tel 0570-02-9999
    ●セレニティ・カウンセリングルーム 
          

*1:すでに夏にメジャーデビューしているようです。