憲法勉強会『やさしい憲法のおはなし』

昨日は友人たちと勉強会を開きました。
講師に来ていただいたのは市民のための弁護士を育てる司法試験の予備校伊藤塾の山本有司さん。さすが司法試験の塾の先生お話が上手で、とても、明解で、分かりやすいお話でした。手弁当でということでほとんどボランティア(?/笑)。レジュメにしたがって、書いておきます。

法律とは、国民の間の利益の衝突の調整をするもの。
法律はなぜ正しいのか→法律が国民の多数派の意志に従って利益衝突を調整しているから。では、国民の多数派に従ったからといって常に「正しい」といえるのか。多数意見に従っていても過ちを犯す危険がある。多数決も絶対ではない。審議と討論の経過によって、多数決の正当性は保証される。審議と討論の経過が欠落した場合少数意見が尊重されないということになる。
多数決で決めることは必要である。しかし、多数決で奪ってはならない価値もある。個人の尊厳。それを明文化したものが憲法である。


法律は、国民の自由を制限し、社会の秩序を維持するためのもの→国民に対する歯止め

憲法は、国家権力を制限し、人権を保障するものである。→国家に対する歯止め

憲法で最も重要な価値は個人の尊重「すべて国民は個人として尊重される」【13条】

①「人はみな同じ」 人として尊重
  人間として生きる価値がある点ではみな同じ。
  個人のための国家であり、国家のための個人ではない。

②「人はみな違う」 個として尊重
  自分の幸せは自分で定義しよう→幸福追求権→自己決定権
  多様性を受け入れて主体的に生きる。

憲法は国家権力の歯止めであり、国会が憲法を変えようとしているということは、国家権力の歯止めをかえることである。
選挙権を引き下げ、有権者の数を増やし、国民の意思がより反映されるようにすることが必要なのではないか。
右への揺り戻しが来ているが、この揺り戻しを越えれば、本当の意味で憲法が定着するだろう。5年くらいのあいだが重要な時期だと思う。山本さんの印象に残る言葉でした。

勉強会の後はお菓子を食べながら歓談。みんなとおしゃべりしていると先行きの不安な気持ちも心強く感じます。そのあと閉店までカフェで粘り、帰りは風が強くとても寒かったです。最寄のさいたま新都心駅周辺はメガロポリスのよう、近未来都市にやってきたような印象を受けました。