小さなテーブル〜八重洲ブックセンター

そのあと、幻想作家の作品が多い青木画廊まで歩いたが、日曜日はお休みだったことをすっかり忘れていた。しかたがないので、また、歩いて八重洲のブックセンターまで。
歩き疲れて、2Fの喫茶へ。ミックスサンドイッチセット680円、ミックスサンドイッチにミニサラダ、ホットコーヒー。地方の方からみると高いでしょうか。東京では安めです。そこで2時間くらい時間をつぶす。疲れたままだと映画を観ても爆睡してしまうし・・・(笑)。途中で、抹茶フロート追加。芥川賞受賞作、阿部和重『グランドフィナーレ』を読む。『アメリカの夜』をよんで、今回で二作目だが、文体は気に入った。『シンセミア』以前と以降とで分類されるということなのだが、どういうことかまだ分からない。『アメリカの夜』は自分を特別な存在と思っている人間、『グランドフィナーレ』は負い目を抱き、追い詰められてゆく男。その違いのことなのだろうか。
私が座ったところは、小さなテーブルに椅子が2客。時間も3時過ぎで、本の買い物で疲れた客たちが一服したり、ブランチをとったり、回転がいい。
しばらくすると、隣のテーブルを2つ繋いで、父と姉と弟の一団が座った。これ幸い。こどもをウォッチィングするのってとっても楽しい。隣に座ったが運のつきです。短い会話を聞くともなく聞いているとというより、耳をダンボにして聞いていると、お母さんはお出かけで、お父さんが一日子どもと一緒に本屋に来たという感じだった。お姉ちゃんはレアチーズケーキと紅茶のセット。弟はチョコレートパフェにミルクティー(ポットサーヴィス)。お父さんはコーヒーを注文して、お姉ちゃんは食べながら、『人形レストラン』に没頭していた。弟はずっと食べながらハスキーボイスでパフェを食べながらしゃべっていて、お父さんは本を読みながらフォークやナイフの使い方から言葉の説明、イソップの鶴ときつねの話など実にじょうずに相手をしていて感心した。怪談レストラン(34)人形レストラン[図書館版] (怪談レストラン[図書館版])
「〇〇くんのお母さんはね。お荷物置いてね。こんなふうに食べるんだよ!すっごい態度でかいんだ!」なんてジェスチャーいりで弟くんは言っていた。だから、子どもだからといって油断はできない。しっかり見られているのです。お姉ちゃんは一冊読み終わって、シャーロックホームズ、コナンドイルの話などをしていた。
ポットサーヴィスの紅茶にお砂糖をタップリ入れて2杯半飲んで、「お腹ぽんぽん、もうご飯食べれない」。
「今日は日曜日だから、お肉の日だよ。お母さんステーキにするって言ってたよ」父。
「あ〜じゃあボクゼッタイ食べる!」
5時半になって、席を立ったが、案外「お隣にいたおばちゃんったら、ボクたちの話聞いてたよ」なんていわれていたかも。カフェー小品集 (小学館文庫)
ブックセンターのカバーは気に入っているので、どうせ買うのならばと文庫の嶽本野ばら『カフェー小品集』と町田康屈辱ポンチ』を購入。ほかに、好きなブックカバーは教文館。そういえば、2001年に閉店してしまったけれど、京都に行くと、四条河原町駸々堂に立ち寄って、東京にもある本を買って帰る友人がいました。カバーが個性的でお気に入りだったからですが、駸々堂が潰れたのを一緒にとても残念がったものです。