『HANGA東西交流の波』

一昨日は友人から送ってもらった招待券で、東京藝術大学大学美術館で催されている『HANGA東西交流に波』に行った。上野の駅からしばらく歩くとしちりきに似た音色が聞こえてきた。しちりきの演奏とはめずらしいではないですこと。近くによって行くと、噴水池前のステージでハーモニカの演奏をしていたのだった。なぜか、すごくしちりきに似ていた。いい、いい、もっと、聞かせて!しかし、曲が変わるとハーモニカになった(笑)。ハーモニカもいいのだけれど、ハーモニカだったら、ブルースをお願い!
ハーモニカの世界チャンピオンの大竹英二さんという人。もう少し聞いていたかったが、4時を過ぎていたので、美術館に急ぐ。
「地下2Fからどうぞ」と誘導されて地下2Fに行ったが、併設展の『ドイツ・ネーデルランドの近世版画ーマクシミリアン一世の時代を中心に』だった。3Fに上がって後悔!最初からこちらに来るべきだった。もう、時間も残り少ない。駆け足で見てまわる羽目になった。
木版画リトグラフ、スクリーンプリント、エッチング、ドライポイント・・・。ひと言に版画といっても実にさまざまだ。

駒井哲郎 若き日の手紙―「夢」の連作から「マルドロオルの歌」へ

駒井哲郎 若き日の手紙―「夢」の連作から「マルドロオルの歌」へ

駒井哲郎<束の間の幻影>、加納光於<星反芻学>、小林敬生<蘇生の刻ー白い朝>、星野美智子<時の形見ー放棄された図書館>、田中孝<COMER>などが特に気に入った。気に入った作品の前では時間を忘れて観ていたい。ああ、もっと、早く来ればよかった。
無情にも、会場を追い立てられるように出て、売店でカタログを見ると、長谷川潔ゴッホの模写した歌川広重もあったではないか。ビデオの上映もやっていた。不覚(泣)。葉書になっている駒井哲郎、長谷川潔パウル・クレーの葉書を買った。印刷も悪くない。
クレーの詩 (コロナ・ブックス (111))

クレーの詩 (コロナ・ブックス (111))

会場で手にしたチラシによるとサタデーコンサートということで、毎週土曜日15:00〜エントランスロビーで器楽演奏があるとのこと。展覧会の時はいつもあるのだろうか?それなら、いつだって土曜日に来るのがいいな。
館を出るともうすっかり、日は暮れていて、今まで、上野公園の夜に縁がなかったけれど、なかなかステキな夕暮れ時だった。日の落ちたばかりの群青色の空に三日月が高く映え、木々や街灯がシンメトリーに影を落とす。マグリットとポール・デルボーと岡鹿之助を足して割って、ちょっと猥雑さをスパイスに・・・???懐かしくも不思議な空気感を漂わせていた。
マグリット (アート・ライブラリー)

マグリット (アート・ライブラリー)

噴水池の前のステージでは女性たちの一団による和太鼓の演奏をしていた。太鼓の音は心臓の鼓動に通じるものがある。何重にも観客がステージを前に囲んで耳を傾けていた。遠く国立博物館がライトアップされていた。