[音楽]冬のコンサート
夜寒いので、コンサートも遠のきがちです。
それでも、安いので買ってあった、若い人の熱演は、帰りの寒さにも足を運んでよかったといつも思います。
もう、だいぶ前になりますが、ふたりのフィンランド人、ヴァイオリニスト、ペッカ・クーシストとアコーディオン奏者、ヤンネ・ラットアによるバッハの六つのヴァイオリンソナタは、最初は艶やかな音色のヴァイオリンの音(1752年製のガダニーニ)ばかりを拾っていましたが、後半はアコーディオンとの競演を楽しめるようになりました。
ペッカ・クーシストは、シベリウス国際コンクールでフィンランド人としてはじめて優勝したという実力者で、明るいだけではない、熱のようなものが伝わってくる独創的なバッハでした。
北欧人というとカラダが大きいという印象ですが、ふたりは小柄で、恋人のように仲が良くて見ているだけで微笑ましくなります。
ユリア・レージネヴァ(ソプラノ)と寺田功治(バリトン)デュオもよかったです。
新人・若手の発掘、育成を目的とした「フレッシュ名曲、キャンペーン・コンサート」でしたが、すばらしい若手が育っているのだなあとたのもしく思いました。
18歳とは思えないほど落ち着いたロシア人ユリア・レージネヴァの豊かな声量と柔らかい声質は天性のものなのでしょう。
天性のものに、どれだけのものをプラスしてゆくか、楽しみですね。
ドニゼッティの『ランメルモールのルチア』から「こちらにおいで、ルチア」モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』から「手をとりあって」、マノンのガヴォット『みんなの声が愛の言葉をささやくとき』など。
柔道の井上康生にもちょっと似た寺田功治のバリトンは、歌う前の緊張感が伝わってきて、意図されない、高揚がすばらしかったです。
トスティ『君なんてもう愛してない』デンツァ『妖精の瞳』カプア『君にくちづけを』カルディッロ『つれない心』など。
#「わたしの一角獣」PHOT BY MIS.BEE