横須賀の風景

横須賀に行ったのは、一年ぶりです。
JR横須賀駅は京浜急行横須賀中央駅とは違って、どこかうらぶれた・・・魅かれます。この雰囲気。
駅を降りると、米軍の艦船が何隻か停泊しています。
四時を廻っていましたが、遠くから眺める霞のかかった秋の空に灰色の巨大な軍艦が溶け込んでいます。
タクシーに乗って、横須賀美術館に向かう数分ですが、自分でも意外なことに、この光景に魅かれたのです。

遠くオブジェとしての軍艦が海の光を浴びて、暮れかかったぼんやりとした秋の空気に溶け込んでいる風景は内に沁みるものがあります。
廃墟に魅かれるのとも似て。
いや、すこし違う。
巨大な硬質のもののもつ質感が開かれた風景の中にある。
非日常であるはずの風景が。

横須賀はもの派の代表的美術家原口典之のルーツでもあります。