都知事選も近いけれど・・・

azamiko2007-04-04



どうも盛り上がりに欠けていますね。
政治に期待すらしなくなったのも、選挙に関心が希薄になったのも分かる気はするけれど、諦めてしまうわけにはいかない。
G7の中でも最も多い年間3万人以上の自殺者がいて、若い人の死因の第一位が自殺であるという現実を思えば、大人の責任は重い。
将来に希望をもてずに死んでいっているのではないだろうか。
ミッドナイトホームレス・ブルー』にリンクされているるかさんの3月9日の「若者難民は死しかないのか」を読んで、
ある日のことを思い出した。


初夏だったろうか。
新宿歌舞伎町に映画を観に行った帰り。
映画館を出てコマ劇場前の中央広場の舗道に、若い男性が仰向けに、雑誌を顔に広げて寝ていた。覆った雑誌からのぞく髪は長く、服装はトレーナーにジーパン、ジョギングシューズという格好だったと思う。
新聞を敷くでもなく、固い舗道にそのまま仰向けになって寝ている姿は、日中でもあって酔っ払っているのではないのはすぐに分かった。
彼が眠っている傍らには、詩か何かだったかもしれない、乱雑に書きつけられたノートやら本やら雑誌やら、わずかな所持品が並べられていたからである。
彼はそれをお金に換えようと広げているのだと思った。
微動だにせず眠り続ける姿に、想像するしかなかったが、今までいた場所を何かの都合で出て行かざるおえなくなったのではないだろうか。
行き先もなく、とりあえず身の回りのものを売ることで急場をしのごうとしているように思えた。
換金できそうなものなどもなく、眠るしかないという絶望的な若者の姿だった。


るかさんの日記に朝日OPENDOORS一月号より引用されている30歳の青年は、仕事を失い、いくら求職しても就職することもできず、家賃を滞納、電気、水道、ガス、電話を止められ、生活保護の申請も受け付けてもらえず、やっと、支援団体に駆け込むことで申請が認められたという。
「若いんだから・・・」「働けるんだから・・・」と各サポート団体にも相手にされない。
正規雇用が減って、非正規、アルバイト、パート、で稼ぐ賃金は多寡が知れている。職を失えば、わずかな蓄えはすぐに底をつき、ホームレスになっても少しも不思議でない。
「ホームレスは自己責任」「縛られるのがイヤなんでしょう」という認識は、現実を知らない、想像力の足りない人の言葉だろう。
頼るべき人がいなければ、誰だってそういう事態にならないとはかぎらない。
健康で働く意思がある人であっても、それが現実である。
まして、病気や精神的な問題を抱えている人、老齢者はなおのこと。
自分の窮状を訴え、サポートを受けようとすることもなく、自死してしまうこともあるだろうと思う。


家をもたぬものにとって、日本は戦場である


『ミッドナイトホームレス・ブルー』健次郎さんのことばである。
日本国憲法25条( 生存権、国の生存権保障義務)1には


 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。


と、ある。
この憲法すら変えようとしているのだから・・・。
たとえ、800兆円の借金があろうとも、ミサイルを買ったり、自衛隊を派遣して米軍の輸送をしたり、米軍再編のための軍需費を献上するよりも国民の生命を守ることはいくらでも可能なはずだ。




#散歩の歩幅:PHOT BY MS.BEE