[雑記]庭園散歩〜殿ヶ谷戸庭園、滄浪泉園

azamiko2005-12-14

今年の紅葉はあまり芳しくありませんね。
それももうだいぶ無残な姿になっています。
紅葉の時期にはいつも鳩ノ巣渓谷に行くのですが、今年は行かずじまい。
近くの殿ヶ谷戸庭園、滄浪泉園に行きました。
どちらも段丘の国分寺崖線(はけ)の地形を利用した回遊式庭園です。
はけで濾過された豊富な湧き水でできた池があります。
ただし、水量は年々減少の傾向のよう。
このあたりは、大岡昇平の『武蔵野夫人』のモデルの地です。
殿ヶ谷戸庭園は崖の上から池を見下ろす落差がかなりあって、火のように燃える紅葉をながめていると、ちょっと、極楽めいてきます。
この日はしめやかな雨が降っていて、夕暮れ近い午後の雨に映え、池を覆う景観はぽっかりと周りの喧騒から隔てられ雅な世界に誘ってくれました。
はけの上にある茶室では着物を着て、扇落しや貝あわせなどをしているグループがありました。
滄浪泉園も小さな庭園ですが、静かな佇まいの入り口を入って、ゆるやかなカーブのある下り坂を取り巻くように立つ高い紅葉、野趣あふれる池が崖を背負ってひっそりとあります。あまり手入れされていないのも、人にほとんど出会わないのもいい。
山道で迷って偶然見つけた沼のようです。
地中深く掘って、水の張った甕を埋め込み、石を重ねて覆い、その上から柄杓で水を垂らすと、余韻のある透明な音が聞こえてくる水琴窟があります。
水の音の美しさを取り入れたみごとな細工。
雨が地中に滲み、はけを通る時にも地中では、かすかな水の音がきっと、しているのでしょう。
雨の日に歩くのも悪くありません。




#滄浪泉園の池