本と遊ぶ「野中ユリ−本の小宇宙ーミクロコスモス」展@NIKIギャラリー

14日(金)、午後から千鳥が淵のそばのNIKIギャラリーで開催されていた野中ユリさんの展覧会『本と遊ぶ「野中ユリ−本の小宇宙ーミクロコスモス」』展に行きました。彷徨引力―野中ユリ作品集
新作のコラージュ、デカルコマニー、銅版画、オブジェ、装丁した本、尾崎翠(全集)、武田百合子(言葉の食卓)、澁澤龍彦(狂王、妖精たちの森)など数点づつ展示。
妖精たちの森―野中ユリ画集狂王

デカルコマニーの青い花のシリーズの青の色の鮮やかさに嫉妬してしまう。
デカルコマニーというのは誰でも一度は試したことがある、あのロールシャッハテストの時に用いる図柄制作のことを言います。紙を半分に折って、絵の具を紙の折ったところにいくつか置いて折り重ねると右と左に対称の図柄ができますが、その図柄をデカルコマニーと言います。
紙や絵の具の素材、色使いなどによって偶然に遭遇する造形の妙。瀧口修造牛腸茂雄の個展でも多くのデカルコマニーをみました。やはり、その色使いに作家の個性が出るようですね。
新作のコラージュはどれも魅力的でタイトルをメモしてこなかったことをとても悔やんでいます。ひとつは黄色の色調に蝶が飛んでいるもの。ひとつは大きな石を囲んで少女たちが立っているもの。もうひとつはボードレールをモチーフにしたものです。
あ〜、もう・・・どうしてタイトルをメモしてこなかったのか(悔)
シュールでエレガントな野中さんの作品でした。
作品数はわずかでしたが、作品を鑑賞しながら千鳥が淵を散策してゆったりソファに腰をおろして、丁寧に焼かれたお菓子とハーブティーを戴く贅沢、といきたかったのですが、その後の予定もあったので、またのおたのしみにしました。(出かけるのが遅すぎ・・・)
ギャラリーというと光を遮断した薄暗い空間が多いですが、ここNIKIギャラリーは千鳥が淵のとおりに面したガラス張りのビルの1Fにあり、カフェのようにとても心地のいい椅子がおいてあります。焼き菓子ハーブティー(¥900)もいただけます。
もともと茶の道具など工芸作品を手がけるギャラリーのようです。そして、もうひとつ、たくさんの文庫本を収集しています。ミニブック、豆本もありました。このたくさんの文庫本は何を意味しているのでしょう。なぞです。工芸関係、アート系の本もありましたが、ごく一般的な文庫本、文学、詩集、漫画などもあって、これらは売り物ではなく、どういう選択のもとに集められているのかと考えてしまいました。このギャラリーの関係者が装丁を手がけた作品なのでしょうか?次回行った時には尋ねてみなくては。