『舟越桂 夏の邸宅』@庭園美術館

9月23日で終わってしまいましたが、アール・デコ建築の空間に適度に配置された木彫彫刻とドローイング、静かな時間と空気を纏って、館内に溶け込んでいました。
はまりすぎるくらいに。


着衣の人物像のリアルで端正な美しさ、たたずまい。
彼の木彫は、現代の仏像に違いなく、両性具有の『スフィンクス』シリーズ、とりわけ、眉根に皺を寄せ、シニカルな笑いを浮かべる目を曇らせた『戦争を見るスフィンクス2』の印象は際立っています。


足も手も首もダラリ吊るされガラスケースに収められた「ピノッキオ」


みるものに静かな時間と空気を流し込みながら、かき混ぜながら、たちどまらせる。


旧朝香邸ではなく、廃墟であったらどうだろうか、とふと思いました。