『アース』&少年のリアル

azamiko2008-01-26

(内容にふれています。未見の方はお気をつけください)


東京に雪の降ったとても寒い日、アースをみてきました。
平日,午後、天候のわりには、入りもいいようです。
BBC制作の「プラネット・アース」とほとんど変わらない映像を使っているので、今ひとつだった、という感想を聞いていたのですが「プラネット・アース」を観ていないので、地上を俯瞰した映像は見ごたえがありました。
渡辺謙の吹き替えは、後半はそれほど気にならなかったものの、感情移入しすぎの感。


日本語吹き替え版だったので、子ども連れも多く、隣には、少し遅れてやってきた5、6歳の男の子とお母さん。
こどもの反応に興味津々です。
彼は、暗い館内を歩いているときから「途中からじゃいやだ!最初から見たい」と、お母さんを困らせていました。
入れ替え制ではないので、最初の部分をあとで見ようと小声で諭している間に、白熊の親子の映像になって、画面に釘付け。
この映画の一番のクライマックスは、像の一群が、乾期の砂漠を何週間もかけて川を目指して行進する部分です。
砂嵐に巻かれながら小象は、乾ききった大地を必死に母像の後についていきます。
目指す川への道のりの途上、やっとたどり着いた小さな水辺で渇きを癒す。
当然のごとく多くの動物たちが集まっています。
昼間は象たちが占領していたものの、夜になると立場が逆転。
飢えたライオンが夜は人間並みの視力しかない象を襲います。
小象を中に囲いこみ守る象たち。
数十頭の飢えたライオンが一頭の若い像を追いかけ、逃走する象と茂みの中に消え、砂埃が立ちます。
その瞬間、さっとお母さんの顔を振り返る。
画面に戻ると、稲妻が光り、象がライオンの餌食になったことが想像されます。
少年はゆっくりお母さんを振り向くと、満面の笑みを浮かべていました。
壮絶な動物の生死をかけた戦いを見た衝撃と興奮に満たされたという笑顔です。
しばらくして、彼はひとり席を立ち、誰も座っていない最前列の真ん中に、行ってしまいました。


日々、動物たちは生き抜くために格闘し、生命をかけた動物同士の戦いをしている。
それに加えて、人間による環境破壊、地球温暖化の影響は、動植物にどれだけの負荷をかけているか。


反省させられるに十分です。