藤森建築と路上観察@オペラシティー・アートギャラリー

azamiko2007-07-06



なんとなく、知っているつもりになっていて、行きそびれていましたが、会期(7月1日)も迫った6月29日に。すでに終了。


Sさんからの感想は「静かな前衛」
土俗的なものを感じていたけれど、たしかに・・・野蛮ギャルド?


お気に入りは、大分県の温泉「ラムネ温泉館」(中央の建物)


焼杉と陶板(?)材質の違うものを縦に交互に壁面に。
ふたつの窓が目のように見えて、アフリカのお面のようです。
てっぺんに杉の木が立っている。
植栽は藤森邸のたんぽぽハウス、赤瀬川原平邸のニラハウス、椿城や一本松邸、壁面に植え込むものなどいろいろありますが、手間や手入れがかかり、必ずしも上手くいっていないとのこと。
造形のユニークさに限らず、実験的であるというのもアバンギャルドの所以でもあるでしょう。


満開の桜の木々の中にたつ茶室徹もいい。


生まれ故郷の長野県の山間部、7メートルの栗の木の上に建てた茶室高過庵(TOOーHIGH TEAHOUSU)は八ヶ岳が見え、風が吹くと揺れるそうです。
その行程をドキュメントしたNHKの番組がビデオ上映されていました。
路上観察学会のメンバーである赤瀬川原平南伸坊の両氏は「縄文建築団」のメンバーでもあり、銅板を波型にしながら屋根に貼る作業をしていました。
藤森氏のユメは、この山間にいくつも樹上の家(庵)を作り、友人たちに住んでもらうことだとか。


藤森氏によると建築とは祝祭である。
子どもの頃から、村のひとが総出で藁葺き屋根の葺き替え作業をするという体験をしてきた。
建築には祝祭的要素、ひとつのものを作るということを通して、共同体のつながりをも育んでゆくということがある。という。
後日、三人は、丘の上の木々から突き出た風に揺れる高過庵で、八ヶ岳を見ながら、ねそべっていた。
茶室というより物見やぐらのよう。
何とものどかな、うらやましい光景・・・


もうひとつの路上観察学会の活動は、植物の繊維で編んだ、香りのいい大きな籠の中で、ビデオで披露されていて、車座になって鑑賞。
この大きな籠の中にいると、なんとなく親和力が高まる。
マンホールの蓋の図柄を調べることから始まった、路上観察トマソン現象といわれる階段でありながら、階段の機能を果たしていない、ただ、階段だけがあるという風景に代表される無用と思われるもの、面白いもの、不思議なものを路上で見つけて、写真に撮影、合評しあう。
それらにそれぞれタイトルがつけられていて思わず笑ってしまう。
ピカソだとかクレーだとかのタイトルのあとに、いかにもそれらしき造形の写真がある。


建築にしても路上観察にしても、おもしろさ、こどもの感受性や好奇心をそのまま原動力に、ひとが集まリ、素人が共同でする手づくりの空間としての建築が藤森建築のアバンギャルド性なのだろう。





#たんぽぽハウス近影