エリオット・アーウィット@シャネル・ネクサス・ホール

azamiko2007-04-22


友人が見せてくれた会場から持ち帰ったというカタログのすばらしさに、早速、次の日には出かけました。


1/125 もうひとつのまなざし―エリオット/アーウィット作品集
アーウィットは1928年パリに、ロシア人の両親のもとに生まれ、25歳でロバート・キャパに推薦され写真家集団マグナムに参加。
アンリ・カルティエ・ブレッソンにも通じる瞬間を捉えるその目の確かさ。センス。
立ち上がってくる物語。
切り取られたショットは断片ですが、なにより現実を写し出す断片です。


(上記タイトルをクリックすると数枚写真が掲載されています)
たとえば、


チェ・ゲバラ1964:葉巻を手にタバコの煙、振り仰いだような視線、寛いだ親しみ深い表情。
このゲバラの写真一枚をみるだけでも会場に足を運ぶ価値あり。
・オルレアン1952:古い建物の続く石畳の通り、遠くに一台の車、朝だろうか、誰もいない、低く鳩の飛翔。
・サンタ・モニカ1955:夕暮れの海岸、停車中の車、サイドミラーに映る美しい女性と男性
・ニューヨーク1955:霧に霞むエンパイヤーステートビル、近景には女性のうしろ姿。
ニュージーランド2004:羊の群れ、空はウロコ雲、丘の上には、羊を統率しようとする犬。
コロラド1955:車の中の少年は5〜6歳くらいか。ガラスには蜘蛛の巣のような被弾痕。その被弾した蜘蛛の巣状の中央は少年の瞳と重なっていて、こちらを見ている少年。


今回の展覧会は2006年に出版された『PARSONAL BEST』を記念したものです。
カタログは各界52名のBEST CHOICEとコメントで編集され、全作品が掲載されているわけではありませんが、赤、白、黒、それぞれの表紙で120ページほどあるこの図録、細部まできれいプリントされ、印刷技術のすばらしさ、エリオット・アーウィットへのオマージュにあふれた企画だというのがとてもよく分かります。
しかも無料配布ですから、太っ腹なのか、税金対策なのか・・・。
紙袋に3冊すばやく投入する人目撃!
気持ちわかるなあ・・・。
リピーターも多そうです。
また、行かなくては・・・。
5月6日(日)まで。





【コメント関連URL】


メゾン四畳半」藤森照信』@エルメスギャラリー

エリオット・アーウィット公式サイト