袖摺りあうも他生の縁

azamiko2005-08-07

毎日暑いですね。こう暑いと電車に揺られているうちにうとうとしてしまいます。先日も電車に乗ってつい寝過ごしてしまい、終点から折り返してしまいました(笑)
折り返して、降りるべき駅を通るならいいけれど、終点からべつの線に乗り換えなければいけなかったので、1時間もロスいてしまいました。終点につくと、すぐに乗客が乗りこむので気がつかなかったのかしら、起こしてくれたっていいじゃないのと恨み言のひとつも言いたくなります。私も何度か眠っている人を起こしたことがあるんですもの。
とは言いつつ、電車で乗客が眠っているなんて日本くらいのものじゃなかと渡航経験の多い知人が言っていたのを思い出しました。眠っていられるくらい安全だということでもあるのでしょうけれど、私的空間が無分別に拡張しているのではないかと。最近、遠距離でもないのに電車の中でパンを食べていたり、お菓子を食べていたり、お化粧をしている人もいますね。誰に迷惑かけるわけでもなく、眠って隣の人に寄りかかってしまう方がずっと迷惑か(笑)。
そういえば、以前、平日の昼過ぎ、40年配の人に寄りかかられたことがありました。私もときどきやることなので、たまには柱の代役くらいはするつもりでいたら、とうとう彼の頭が肩から滑り落ちて膝の上に乗っかってしまいました。あらら・・・電車は空いていて、立っている人もほとんどなく、反対側の隣は空いています。前の座席の人たちも笑っています。隣に移動しようか、起こそうかと思案していたら、「す、すみません!ほんとうにごめんなさい!」と気づいて起き上がり、しきりに謝ります。昨晩は遅くまで飲んでいて、今日は友人の家に向かう途中だと言っていました。失業中だとも言っていました。それから私が読んでいた本『せどり男爵数奇譚 』から本の話しになり、映画の話しになり、今まで観た映画で一番よかったのは『プラトーン』だと言っていました。たいがいみんな知らない、ほんとに知っているのか、話しを合わせているだけじゃないかと言い、ベトナムの戦場に置き去りにされるエリアス軍曹の話をするといたく感動した様子で信じてくれました。そんなこんなで横浜に着いて酒気がまだ、少し残っているふうな彼はミネラルウォーターのペットボトルを手にひょいと降りて行きました。彼お奨めの本のタイトルを「是非読んでください」とくりかえしながら。でも、彼が言った本のタイトルが何だったのか、今はまるで思い出せません。古い手帳に書きとめたはずなのですが。
彼はもう、仕事を見つけたでしょうか。