「国旗・国歌強制に反対する」をめぐって 7『現代思想 4』(青土社)〜特集 教育現場の変貌〜

今の教育の状況、教育行政が何をめざそうとしているかとても分かりやすく書かれています。
ネオナショナリズムがグレードアップしてファシズムが教育の中に入り込みつつある。
有無を言わせぬ力で個々の思いや行動を押さえつけようと。
国にとって都合のよい人間、黙って働き、黙って戦場へも赴く人間をつくろうとしているのは、国旗・国歌の強制、教育基本法の改正、憲法改正への動きと呼応している。

これは、先日、鶴見俊輔さんが

民主主義とファシズムはいわば、セットであるといっていい。民主主義の退廃したところにファシズムが起こる。民主主義が実現したと安心したところにファシズムが立ち上がってくる。

と言われていた民主主義の退廃を示しているのだが。
本質を観ようとしない人は、この民主主義の危機という事実を疑うこともなく容易に体制順応的に受け入れる。
それは、ここ、コメント欄にも如実に現れている。自分の狭い個人体験だけで、そこから一歩も出ようとしない。自分で考えるべきことも放棄して、他者にその答えを求めようとする。近視眼的な見方にこだわり、自身の至らなさを棚に挙げ、他者への批判を繰り返す。
また、さらにあさましいことには、己を省みることなく、そのどすぐろい欲望で、他者にまとわりつく。そして、そういう行為にあろうことか、仲間意識をもち、次のターゲットを求めてピラニアのように行動する。
これが、民主主義が退廃している結果であることは誰も疑えないだろう。