[映画]『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』監督:若松孝二@テアトル新宿


3時間10分。
これだけの緊張感を持続させる映画はめったにない。
この映画は傍観者でいることを許さない。
なぜ、革命を志すものたちが、仲間の総括、処刑、リンチへと向かって行ったのか。
力によって生が収奪される状況に、右も左も革命闘争も宗教も国家もなく、集団と個、人間の普遍的命題であるからだろう。
事実に沿った映像。
閉塞した中、大義名分が前面にあり、生と死の境界にあって、どのような行動をとりうるのか。
人間はどこまでも残酷になれる。
1972年のこの事件を遠い過去の事件だと片付けることはできない。


緩やかな収奪は日々平穏な生活と隣り合わせにあり。
生の収奪に向かうような状況をつくりださないこと以外に方法はなく。


しなやかなやわらかさをともなった強靭さ。




第58回ベルリン国際映画祭・フォーラム部門「国際芸術映画評論連盟賞」と「最優秀アジア映画賞(Network for the Promotion of Asian Cinema[NETPAC])」